【イベントレポート】自分の性の記憶を思い返してみた「子どもに誰が・いつ・どう性を伝えるか」トークショー ~SmartNews ATLAS Program「社会の子ども」vol.2~

 

自分の勉強のためにも、働いているNPOの広報のためにも、非営利セクターが関わるイベントに毎月1回いくようにしています。

今月は、「子どもに誰が・いつ・どう性を伝えるか」トークショー ~SmartNews ATLAS Program「社会の子ども」vol.2~に行ってきました。

 

f:id:sasakuremomoko:20170115152550j:image

 

 

 

 


目次

 

 


 

 

■ イベント概要

「社会の子ども」はSmartNews ATLAS Programがお贈りする、社会と子どもについて考えるための全3回の映画鑑賞会+トークショーです。
Vol.2の今回は「子どもと性について考える」というテーマで、「子どもに誰が・いつ・どう性を伝えるか」と題したトークショーを行います。

 

今回のイベントでは

①大人から子どもへの性についての伝え方に関してどんな問題があるか
②子どもに性についての知識が伝わっていないことによってどんな問題が起きているか

という2つのポイントについて、性に関する様々な活動や発信をされてきたゲストの方々とのトークを通じて参加者の皆さんと一緒に考えていきます。「子どもと性」に関する大人たちのリテラシーを高めることが、子どもたちにとってより良い未来をつくるための第一歩になることを期待しています。

 

 

 

■ 「このイベントで話したいのは、性に対する各々のアイデンティティではなく、リテラシー」まずゲストの紫原明子さんより、イベントの軸と性に関する情報提供です。

 

f:id:sasakuremomoko:20170115152706j:image

 

紫原さんプロフィール(SmartNews ATLAS Program/エッセイスト)

エッセイスト。1982年福岡県生。高校卒業後、音楽学校在学中に起業家の家入一真氏と結婚。のちに離婚し、現在は2児を育てるシングルマザー。個人ブログ『手の中で膨らむ』が話題となり執筆活動を本格化。エッセイ『家族無計画』(cakes)、『世界は一人の女を受け止められる』(SOLO)を好評連載中。ブログ 「手の中で膨らむ」

 

f:id:sasakuremomoko:20170115152753j:image

そもそも性教育って何を教えるの?という問いがあるが、「婚前セックスはいいのか 」「マスターベーションはどうやってやるのか」といったことは、各家庭のポリシーや個人のアイデンティティにそって教えればいい。今回話したいのは核になるリテラシーの部分。

 

f:id:sasakuremomoko:20170115152821j:image

 

f:id:sasakuremomoko:20170115152935j:image

  • みなさんと考えたいことは、いつ(いつから、いつまでに)、誰が(家庭、学校、地域)、どうやって(どこまで具体的に、どんなシリアスさで)性を子どもに伝えたらいいのかということ
  • 国によっては幼稚園から性教育するところもある
  • 家族に言えなくても、近くにいるお姉さん・お兄さん的な存在の人に話せれば悩みは解消されるかもしれない
  • NPO法人フローレンスでは望まない妊娠をした人たちのホットラインがある
  • 性に対してネガティブな印象を持っていたり、言っちゃいけないもの、オープンにしちゃいけないものと感じている人もいる
  • 坂爪さんの著書のあとがきのタイトルに「粋と野暮」というものがある。性はプライベートなものだったり、大人のたしなみのようなものだから、セックスの仕方をひとつひとつ教えるのは野暮?

 

 

■ 「性は本能だから教える必要はないのか?」続いて、藤見里紗さんから性教育を実践する立場からの知見と現場でのリアルなお話です。

 

f:id:sasakuremomoko:20170115153128j:image

藤見さんプロフィール(NPO法人マドレボニータ

NPO法人マドレボニータ認定産後セルフケアインストラクター 九州の地で産後ケアを広めるべく、九州初の『産後のボディケア&フィットネス姪浜教室』を開講。たまに大人の性教育講座開催。2011まで恵泉女学園大学非常勤講師。人間と性教育研究協議会元幹事。

 

  • 性教育のイベントに男性がいることはめずらしい。ここにいる男性は稀有な存在です!

 

| 体育の教員から産前産後のケアへ

  • 女子校の体育の教員をしていた。その高校が日本一性教育が盛ん
  • それはなぜか。性教育を社会、理科、保健体育など4教科でする。 中学から始まって高校1年生で、年間で週2時間本格的に行う。
  • 最初は講義、2学期に性の個人発表、題材はなんでもいい。
  • そしてディベート。テーマは夫婦別姓や男性育児休業必須にすべきか?など
  • 最初に教えるテーマは同性愛。
  • それはなぜか。高校生にいきなり性器の話をすると「え〜…」とひいてしまう。恋愛する時期なので、同性愛を通して、同性愛というだけで差別を受ける現状があるということも含めて伝えて、 自分の好きも、相手の好きも大事にするものと教えると、性教育がしやすくなる
  • それでも年に1回はできちゃったかもという子がいる。家庭環境をきいてみると、両親の会話がない、仲が良くないなど
  • もしかしたら、性教育の知識も大事だけど、身近なロールモデルである夫婦関係が性について色濃く関係するのかも
  • 夫婦関係がくずれる根っこは、産後にあるのではという問題意識をもつようになった
  • なぜか。産後は、身体ボロボロ、筋力も衰えている。でてくるのは赤ちゃんだけでなく、お好み焼きほど大きさのある胎盤も。それぐらいの傷が子宮にできている。
  • その状態で赤ちゃんのお世話もして、夫婦間でコミュにてケーションをとってとなると大変。 まずは身体をたてなおそうということで、NPO法人マドレボニータの産後インストラクターをしている。

 

| 気持ちがいい性は、性教育においてなかったことになっている

  •  月経教育を受けた人は女性は100%だけど、射精は教えられていない男性は多い
  • なぜか。射精は快感を伴う。気持ちが良いことは学校は教えてくれないし、学校以外でも良しとしない文化が日本にはある。男子の性はなかったことにされている
  • 月経は逆で、ガマン・忍耐・努力の領域。
  • 妊娠・出産も「我慢すればかわいい赤ちゃんに会えるよ」といって同じイメージにあるから教えやすい。こういう構図で性教育はなりたっている
  • 生殖はのぞんでいないけど快楽があるセックスについては学んでいない

 

| 性は本能だから教える必要はないのか?

  • 本能である、食欲はマナー・ルール・エチケットなどみっちり家庭で教わる。睡眠についても「早く寝なさい」「授業中ねちゃだめ」 とか同様。
  • それでは性欲は?性欲そのものはコントロールできないが、行動はそうではない。
  • 性欲が起こったら、走ってこようとか違う行動したり、セルフプレジャー(マスターベーション)、合意の上セックスする、我慢するといってコントロールできる。 食欲、睡眠欲同様にこういったことを教える必要はある

 

| 家庭での性教育は早ければ速いほうがいい

  • なぜか。子どもは何の偏見も持っていない
  • 2,3歳で「赤ちゃんってどこからくるの?」と聞くことが多いが、ちょうどそのころに兄弟ができるタイミングでもあるから。
  • 親は「遂にこの質問がきてしまった…!」と思うが、子どもはセックスが知りたいわけでない。「葉っぱはなぜ緑色なのか?」という質問と同じ。
  • 聞かれたら肯定的に受け止める、「なんでそう聞いたの?」と聞き返す。質問に完璧に答えることよりも、受け止めてくれたんだということが大事。それだけで子どもの満足度は高くなる。
  • 完璧に答えなくても、答えるのを先延ばしにしてもいい
  • 話すなら絵本を使うのがやりやすいかも。大人がどぎまぎする描写もあるけど、子どもはなんとも思わず、次のページ早く読んで!と言ってくる

 

| 子どもが性器をいじっていたらどうすればいい?

  •  小学校ぐらいの子がいじっているのはセルフプレジャーではなく、 おそらくかゆい
  • 「かゆくない」っていわれたら、指しゃぶりと同じで落ち着きたい だけ。そのときは、お母さんもみるのはいやだか人前ではやめようねと伝える。
  • もし頻発していたり、長時間に渡る場合は、下の子が生まれて寂しい など他のことで悩んでいる
  • セルフプレジャーするようになってからもマナーは教える

 

| 家庭での性教育は9歳までに。親の本気は伝わる。

  • なぜなら、外からの情報を得ているので、話しても斜に構えてしまうことがある
  • 思春期以降は、同性の親の出番。異性の親だと一番身近な異性だと思っている場合もあり、嫌がられてしまうことも。
  • タイミングは恋人ができたとき。方法として手紙もある。
  • どこまで、なにをは伝えるか、自分の中で整理して。
  • 親の本気は伝わる。本当にそのときになって思い出すのは、教員ではなく親の言葉。お守りになる言葉を伝える。

 

| 男性だって生きづらい

  • 小学生男子が人気になる一番の理由は、かっこいいでもなく、勉強ができるでもなく足の速さ。
  • 足が遅い男子たちは「足おそ〜い」と言ってくる女子達に対して、反論するのではなく、仲間どうしてなぐさめあう
  • 女性は「女性らしくない」といった文脈で何か言われたら反論するけど、男性はそうではない
  • なぜなら、「女らしくしなさい」は注意されるときに、「男らしい」は褒められるときに言われる。
  • だから、どうやったら男らしくなれるか考えて生きていく。甲斐性があって、家族を養って…と自分を追い込んでいく、女性だけでなく男性だって行きづらい

 

 

■ 「性は語学と同じ。」最後にトークショーですが、面白くて記録をとるのを忘れてしまったので、メモが残っていたところをお送りします。

 

トークゲストに下記のお二人がジョイン!

 

坂爪真吾さん(一般社団法人ホワイトハンズ)

1981年10月21日新潟市生まれ。東京大学文学部卒。東京大学文学部在学中に、歌舞伎町の性風俗産業の研究を行う過程で、性風俗産業の問題を知る。
同大卒業後、性に関するサービスを、「関わった人全員が、もれなく幸せになる」ものにする =「性産業の社会化」をテーマに起業。
2008年、「障害者の性」問題を解決するための非営利組織・ホワイトハンズを設立。年齢や性別、障害や病気の有無に関わらず、全ての人が、生涯にわたって、「性に関する尊厳と自立」を守ることのできる社会の実現を目指して、日夜奮闘中。二児の父。

 

司会:松岡宗嗣(SmartNews ATLAS Program)

1994年、愛知県名古屋市生まれ。明治大学政治経済学部4年。特定非営利活動法人ReBitスタッフ。2015年、LGBT支援者であるAlly(アライ)を増やす日本初のキャンペーン「MEIJI ALLY WEEK」を主催。SmartNews ATLAS Program第1期にReBitのメンバーとして参加したことがきっかけでスマートニュースの学生インターンに。

 

性は語学と同じ

  • 使わないと覚えない。実践できる場は必要。
  • 障害者向けのサービスで模擬デートというのがある。健常者にも応用できる。

 

障害者の意思決定をどこまで本人に委ねるかということは、子どもに対する性教育に対しても同じ

 

性教育のために中学校にいくと、男子はいかにふざけるかを考えてばかりで、 本当のところを話さないと通用しない。選択肢を与えて、自分で選べるようにすることが大事 

 

妊娠してしまったから、性病にかかってしまったから、間違っているで終わるのではなく、その後の受け皿が必要

 

■ 最後に自分の性の記憶を思い返してみた

 

私が性教育と聞いて思い出すのは確かに小学生3〜4年生ぐらいのとき。

 

教科書で教えられた時間もあったけど、あるとき体育の男性の先生が教科書を持たず、黒板に身一つで立って話していた光景。

 

細かくは覚えていないけど、子どができるのはセックスをするからだ、とハッキリと真剣に言って、黒板にもセックスと書いていた。

 

その教室には男子も女子もいたけどそのときはシーンとなってちょっと張りつめた空気の中でみんなの集中が先生に向かっていた。

 

それまでなんとなくそういうことがあるらしい、人が何かを相手に挿れるってそんなことあるの?できるの?と半信半疑だったけど、その言葉で「あぁ本当にそうなんだ」と観念したような気持ちになった。

 

そういえば、高校生のときには家庭科の女性の先生が、妊娠中に書いたノートを持って子どもを産むことについて話してくれた。

 

「ドラマであるように、いきなりうっ…ってなってトイレに駆け込んで妊娠に気づく、なんてそうそうないから安心してね」と笑って話していたし、私も笑って聞いていたけど切実な情報だった。

 

なぜなら本当にそういうふうにトイレに駆け込むときが来ると思っていたから。

 

と先生の話で覚えているのは、あとら「妊娠は鼻の穴からスイカが出るほど痛いっていうけど、確かに痛いけどそれだけじゃない」ぐらい。

 

妊娠・出産はただ辛いものというイメージで怖かったけど、ポジティブなことに変わった。

 

 

教科書で教えられるのは単なる知識。先生が真っ直ぐこちらを向いて話す言葉は、手触り感というか実感を伴って伝わったから、今でも覚えているだろう。

 

 

「子どもに性をどう伝えるか」

 

今までそんなこと考えたこともなかったし、そのときがくるまで考えることもなかったと思うけど、今回イベントに参加したことで、そのときの準備ができて、安心。

 

自分の子どもについて性を話すための目印がもらえました。

 

■ おまけ。会場の折りたたみ椅子が可愛かった!!

 

f:id:sasakuremomoko:20170115153247j:image

会場の折りたたみイスが、可愛くてしかもふかふかだったので思わず調べてしまった。

 

CLARIN (クラリン) Full Cushion Folding Chair ( フルクッション フォールディングチェア )っていうんだってー!